GALLERY TANTO TEMPO | Photography
Photography Gallery Based in Kobe JAPAN
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Photography

TANTO TEMO Days

utakatado+shashashaイベント詳細

概要

写真表現をめぐる現代の発表手段は、写真展にとどまらず、写真集、個人のウェブサイト、SNSやよりリッチなメディアにシフトしつつあり、めまぐるしく変化しています。その中でも現在もっとも注目を集めているのは写真集です。この度Gallery TANTO TEMPOでは、うたかた堂に関連する写真作品、写真集を特集した初の展覧会を開催します。うたかた堂は2011年に神戸に設立された写真集リトルプレスです。これまで15冊の写真集・Zineを出版してきました。この中から10名の写真家を特集し写真作品を展示するほか、写真集を販売します。また、この展覧会では、国内やアジアを中心とした写真集を主に取り扱うshashashaのポップアップストアを実施します。shashasha pop-up storeでは、日本とアジアの写真集、絶版から最新の写真集を特集し、Gallery TANTO TEMPOにて写真集の展示販売を行います。

写真展期間:2016年7月2日(土)より31日(日) 月・火・祝休廊

写真展参加写真家:Patrick Taberna David Schalliol Francine Fleischer 阿部萌子 徳平尚彦 横島精二 竹本英樹 大口勝弘 菅武志 今井宏(以上うたかた堂)

山内道雄(以上shashasha)

Pop-up Store : shashashaより約100冊

 

うたかた堂作家トークショー with David Schalliol

7月2日(土)PM5

アメリカからDavid Schalliolが来日し、他の参加者と共に最近のみなさんの写真作品の動向について、ギャラリーディレクターとともに話し合います。

写真のうつろい/shashasha大西洋トークショー

7月30日(土)PM5

shashashaの大西代表を招いて、写真集出版希望者に対して国内アジアの写真集の現状についてトークショー・レビューを開催します。

写真集レビュー・編集会

7月2日(土)および30日(土)PM2

写真集出版を希望する写真家に対してレビューイベントを開催するほか、六甲山国際写真祭の予選通過者に対して準備イベントを開催します。この写真集出版は、毎年春に開催していたキャンペーンを、今年は秋に開催するもので、一般的な写真集出版にくらべて大変安価に写真集を出版することができるものです。今回はshashashaの大西洋さんとの共同レビューを行い、写真集出版の可能性を検討するほか、簡易編集まで行います。募集人員:4-5名(作品を事前にお送りいただき選考します)

お問い合わせ・お申し込み:info@tantotempo.jpにメールでお願いいたします。

7月はうたかた堂+SHASHASHA POP-UP STORE開催します

Gallery TANTO TEMPOの7月展示は表題のうたかた堂関連の展覧会・イベントとshashasha pop-up storeを開催します。

うたかた堂でこれまで出版してきた作家のグループ展を開催。さらに、写真集を制作する写真集レビュー・編集会をshashashaの大西洋氏を迎えて実施します。このレビューは9月から11月にかけてうたかた堂で実際に出版する写真集を募集するもので、毎年春に募集していた写真集を安価に出版するプロジェクトを秋に実施します。shashashaの大西さんもこの秋からshashashaが世界展開をするのに合わせ写真集制作にもとりかかることになっていて、このイベントから、また六甲山国際写真祭のレビューから新しい写真集を制作する可能性があるとのことです。

shashasha pop-up storeでは、国内やアジアの強力な写真集を販売するほか、世界中の写真集100冊以上をお求めやすい価格にてご提供する予定です。

また、この期間に合わせてうたかた堂で写真集を出版したDavid Schalliolが来日し、写真集について、また近況の報告をしてくれることになっています。

お楽しみに。

写真展参加写真家

  • Patrick Taberna
  • Francine Fleischer
  • David Schalliol
  • 竹本英樹
  • 徳平尚彦
  • 大口勝弘
  • 阿部萌子
  • 横島清二
  • 山内道雄(shashasha)

 

 

 

RubenとGallery TANTO TEMPO8周年

5月7日、Gallery TANTO TEMPO8周年記念展覧会であるRuben Salgado Escudero “Solar Portraits”を開催し、8日にはオープニングとしてアーティストトークを開催しました。

Rubenとは2014年12月、Angkor Photo Festivalで会い、Max PamとEmmanuel Angelicasの四人でさんざん話し合ったのがきっかけです。何を話していたかというと、その年の国内アート写真界の話題でもあった男性器を見せた展覧会についてです。この話題は海を越えて豪州にも知られていて、話題に上がったのが不思議でしたが、意に反して彼らは総じて日本の国家権力の対応は真っ当で、それがルールである以上たった一人展示に不快な思いをする人があれば問題になることはどこの国も同じ、という意見でした。それ(アートと人々の双方)を防衛するのは箱なりそれに携わる人々の努力として当然払われるべき義務であり、その努力が不十分な場合にこのような事件が起こるのだ、という意見でした。彼らが話題にしているのが、その事件のわいせつをめぐる定義などではなく、システムのほころびだったのが僕にとっては面白かったわけで、彼らの論理的な説明は日本で立ち起こったChange.orgの署名活動のようなそれとはまるで異なった次元のロジックで説明されていくので、諸々同意しつつとても興味深かったのを憶えています。それで、翌年Maxが来日した際、六甲山国際写真祭の合宿でこのことを話題にしましたが、Maxを論破する強者はいませんでした。当たり前ですよね。そこではわいせつの定義に関して意見が多く、憲法や法律上の定義、社会システム、アートのシステムに関する発言は少なかったと思います。

話はそれましたが、Rubenの来日を前に、そんなことを思い出していました。

Rubenの作品を日本に紹介しようと考えたのは、彼の作品がある種の社会活動を含んでいるためです。最初は昨年の六甲山国際写真祭で、そして今回Gallery TANTO TEMPOでの個展と繋がっています。前にも書きましたが、写真は現在のところ、風景やポートレイトに限らず、何かパーソナルな、あるいは社会的な要素を含んで編み上げられているのが潮流です。それは悪く言えば写真が力を失いつつある中で何とか価値を見出そうとする苦肉の策のようにも見えるし、よく言えば写真が奏でることのできるメディアに響きをもたらす装置であるとも言えます。社会活動を含む写真は最近では珍しくなく、わかりやすく、写真ファンを増やすことに役立つし、誰もが興味を持つことができるものだと思います。

Solar Portraitsと題されたこの作品は、実はアートのセクションで評価されています。基本的にはセットアップされた演出写真ですし、コンセプチュアルアートなので当然ですが、一方で社会インフラの欠如にあえぐアジアアフリカの現状をうまく伝えていて、その点がとても高く評価されているのです。太陽光パネルによって蓄電した電源を用いたLEDライトを、電力のない地域へと届けるというプロジェクトは、そのプロセス自体は彼が作品を作る以前から存在したものです。しかし、彼のようなスポークスマンを得ることで、これらの国々の問題が国際社会に認知され、電力インフラの整備が加速される可能性がある、という文脈の上にこのプロジェクトが置かれていることをもっとも評価すべきなのです。

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トークショーでは会場からも質問や意見がたくさん寄せられ盛り上がりました。このようなプロジェクトによって、発展途上の国々に電力が届けられることが必ずしも幸福ではないのではないか。グローバリズムの一端を一部の住民に刷り込むことによって格差や略奪、紛争が起こるのではないか、セットアップのアートではなくジャーナリズムとして捉える方法はなかったのか、などなど。しかし、ここでも彼は一貫して論理的で、クリーンな水、電力というものは世界中の人間が等しく享受すべき資源であり、適切な機関が介在してコントロールしさえすれば問題とはならないはずだ。アートとしてインパクトを得るか、ジャーナリズムとしてインパクトを得るかについては、アートとして表現したほうが物語が伝えられやすいと感じた。と。

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Gallery TANTO TEMPOでは6月26日まで写真祭を開催しています。8周年を迎えられたことはひとえにこれまで応援してくださった皆さまのおかげです。今後も世界中から面白いプロジェクトを持ち帰ったり、六甲山国際写真祭やその他のレビューで出会ったアーティストの皆さんの写真展を開催してまいります。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

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5月7日Ruben Salgado Escuderoポートフォリオレビュー開催!

Ruben Salgado Escudero氏が写真展のオープニングに来日します。

5月7日にオープニングを迎えますが、オープニング当日ギャラリーディレクターとともに下記の要領で5名程度のポートフォリオレビュー/ワークショップを実施します。

ポートフォリオレビュー開催日時:5月7日(土)午後3時から5時ごろ

ポートフォリオレビュー場所;Gallery TANTO TEMPO

ポートフォリオレビュー募集人数:5名 審査にて決定します 最小催行人数3名

ポートフォリオレビュー申し込み方法:info@tantotempo.jpまでメールにてお申し込みください

参加費:¥5,000

World Press Photo関連の写真賞を2年連続受賞したRuben。優れたテーマの発見、ストーリーの組み立て方などを、みなさんの写真を拝見しながら講評、アドバイスを行います。

途中訪問客対応が必要となる場合はアーティストが中座する可能性があります。

 

所幸則トークショー3月12日について

所幸則さんのトークショーが3月12日に以下の通り開催されます。この件に関しての追加情報です。

案内はがきでは「要申込」としていましたが、このHP上記載をしていませんでした。大変申し訳ありません。当日混雑が予想されますので、ぜひお申し込みをいただきますようお願いいたします。また、学生の皆さんについては参加費を500円とさせていただきます。受付時に学生証をお見せください。

開催日時:3月12日(土)午後4時

開催場所:Gallery TANTO TEMPO 神戸市中央区海岸通2-4-8 B1F

参加費:一般 1,000円 学生 500円 (レセプションつき)

お申し込み方法:tantotempo@mac.comまでメールにてお申し込み下さるか、下記フォームからお申し込みください。

 

 

EINSTEIN ROMANCE – 所幸則写真展 2月6日より開催します

表題の写真展を2月6日より開催します。

 

この写真展は写真家・所幸則氏の最新作、EINSTEIN ROMANCEが全国に巡回する関西初の個展となります。

すでにご存知のように、このシリーズはアサヒカメラの最新号の鉄道写真特集に取り上げられるなど、アート写真でありながらさまざまな視点から評価をうけています。シンプルな仕組みながら、非常に美しいシリーズです。

作品はA3サイズの小さな作品から、横170cmを超える大きな額装作品も展示します。

お楽しみに。

新年の展覧会 神戸にゆかりの深い淵上白陽と構成派の写真家たちを取り上げます

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、早速2016年最初の展覧会のお知らせです。

大正期の写真雑誌『白陽』は、神戸で写真館を営み写真家として活動していた淵上白陽(1889~1960)が発刊していた芸術写真誌です。刊行期間は1922年から26年の5年間でしたが、増刊号を含めて、現在43冊が確認されています。当初はピクトリアリズムの芸術写真をおもに所載していましたが、1923年の関東大震災以後、被写体を画面上で幾何学的に表現する<構成派>と称されるモダニズムの表現を志向するようになってゆきます。その意味で『白陽』は、芸術写真の近代化への道程を表しているといえるでしょう。掲載された精緻なコロタイプ刷り図版は、オリジナル・プリントとして世界的に認知されており、日本のコロタイプ技術が、銀塩プリントやフォトグラビア印刷と同等の写真プリント技法として成立していたことを証明しています。

本展では、約90年前、『白陽』が構成派の表現を志向していった時代に掲載されたオリジナルのコロタイプ・プリント約20点を額装展示します。淵上白陽をはじめとする芸術写真家たちの冒険心を、白陽とゆかりの深い神戸の地でご覧いただければ幸いです。

【展覧会】“モダニズムへの道程― 写真雑誌『白陽』に見る構成派の表現”展

【日時】2016年1月9日(土)~31日(日) ※月・火・祝日休廊

【会場】Gallery TANTO TEMPO

【開廊時間】12:00~18:00

■写真史家・金子隆一氏によるトーク 1月16日(土)16:00から 参加お申し込み先着30名さま

なお、この展覧会は金子隆一氏が企画立案、東京/表参道画廊2015年6月、京都/便利堂2015年9月とGallery TANTO TEMPOの巡回企画となります。

“du Portugal, frôlement” Patrick Taberna写真展のご案内

写真家にとって写真を撮ることとは何か。何が写真家をそこに向かわせるのか。

これは写真家にとって最大のテーマかもしれません。

このシリーズは、Patrick Tabernaのその後の独特の写真づくりの原型が随所に見てとれる極めて美しいモノクロームのシリーズです。彼がまだ30代のころ、旅を通じてその感受性の発芽をみながら独特の写真表現を獲得してきたことが写真の中に鮮やかに描かれています。映画やテキストに触発されて訪れた街。そこで見かけた風景。1995年のポルトガルは彼にとって写真家として生きていくことを決意した思い出の場所なのです。みずみずしい感覚が隅々まで行きわたるパトリック・タベルナのポルトガルシリーズをぜひご覧ください。

UTAKATADO Publishingでは、本作をまとめた新作写真集を発表いたします。

2015年9月20日(日)午後4時から作家のトークショー、サイン会およびレセプションを開催します。(参加費¥1,000)

 

同時開催

パトリック・タベルナ写真展 「Nos Italies」
2015年9月4日(金) – 9月26日(土)
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Nos Italies

南イタリア、2000年2月。ナポリの入り江からアマルフィ海岸へ、
ふたりにとって最後の、ふたりだけの旅。
もうじき赤ん坊が生まれるというのに尚、現実の中の日常を遠く離れ感じる脱出の味、その感覚を失いたくないと願う。でもそれは果たして可能なのであろうか。
これから構築していく、まだ見ぬ私たちの人生…。
ナポリからカプリへ、ポジターノから灰に埋もれた都市ポンペイへ。
過去の痕跡と、今ここにある幸せ、そして知り得ぬ未来とが奏でるバラード。
“Nos italies”、それは人生の一つの岸辺から、また新たな岸辺への旅。

Patrick Taberna
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【会 期】
2015年9月4日(金) – 9月26日(土)  11:00 – 19:00
日曜・月曜・祝日 休廊
※ご不便をおかけしますが、9月20日(日) – 23(水)は連休となります。

【会 場】
ギャラリー冬青
東京都中区中央5-18-20
TEL: 03-3380-7123

【イベント】
パトリック・タベルナ氏をお迎えしてトークショーとクロージングパーティーを開催致します。
日 時:9月25日(金)19:00スタート (20:30よりクロージングパーティーに移ります)
会 場:ギャラリー冬青
進 行:溝口 剛氏(大学教授)、渡部 さとる氏(写真家)
会 費:1.000円
定 員:先着20名様でうち切らせて頂きます。(現在、残10席です)
申 込:お電話(03-3380-7123)またはメール(gallery@tosei-sha.jp)にてお申し込み下さい。

大口勝弘写真展 “MIZO”今週末開催!

神戸の若手写真家、大口勝弘さんの初個展がGallery TANTO TEMPOで今週末始まります。

彼のいうMicro Landscapeというジャンルは、例えばマクロレンズや内視鏡を使って虫の住む微小な世界を撮影したシリーズがあるように、決して珍しいものではありません。そういうものを見てみたいという興味は、月旅行に行ってみたい、という興味のように普遍的な探求を求める冒険のこころなのかもしれません。

MIZOはその撮影場所から手法、そしてイメージの処理に至るまでとても手数がかかっています。詳しくは写真展にお越しいただいてご確認いただくとして、写真を前に立ってみるといわゆる単純なミクロの世界というふうには見えないのです。隅々まで見渡せる視界の良さや、手を伸ばせば届くのではないかという緻密で微細なMIZOの構造が浮かび上がります。

2015年6月20日から7月26日まで。7月18日午後4時からはアーティストトークが開催されます。

さらに、今回の写真展にあわせてうたかた堂から写真集を出版します。とても美しい仕上がりの写真集となっています。ぜひ写真展にお越しください。

 

初出時トークショーの開催時間を午後5時としていましたが、午後4時の誤りです。訂正してお詫び申し上げます。

Review Santa Feまとめ

写真のレビューや審査の本質は、イメージの背後にある作家の意識を読み取ることにある。そしてそれを社会にどのように渡すのがいいのかを判断することだ。

例えば、単写真の評価とポートフォリオレビューの評価とはおのず異なってくる。単写真の場合は、基本的な写真の技術をまず見ながら、イメージの強さをその写真の被写体と写真家との関係性、被写体がどのように社会に渡されるべきかで推し量る作業をする。単写真の場合は技術がまずいとまず通らない。だからコンテストなどでは技術面からバッサリと落とされていく。次にイメージの強さ、つまりメッセージの強さを見ていく。ではイメージの強さとは何かというと、これは評価者の主観に訴えかける作家のたくらみであり、主観に入り込めるほど冷静で客観的かどうか、ということになる。難しいことを書くようだが、他者が見て優れていると感じられる写真は例えばさほど写真に興味のない小学生が偶然カメラを向けて撮ったものでも成立しうる。しかし、実際は写真家として応募してくるわけだから、社会から見て優れていると評価されるだろうと確信できるだけの思惟を示せるかどうか、他者に確実に届くものしか出せないと考える冷静さが必要だ。すぐれた単写真はいくらでもあるが、それらの上を行けるかどうかを冷静に客観的に信じる力がないと、結局どの作品よりも弱くなってしまう。

ポートフォリオレビューは写真シリーズのコンセプトやストーリーが選考の中心になる。もちろん技術も必要だが、技術をわざとずらしてストーリーを見せる手法もあるから、技術がどうのという問題は先送りにされることもあるだろう。レビュワーによって見方は異なるだろうが、本質的にはプロジェクトのその時代における存在意義やストーリーの興味深さ、こころに触れるものであるか、美しく整ったフォーミュラがあるかなどが評価されるだろう。作家性や世界観というものもあるが、作家性や世界観とは何なのかを考えてみると、作品を通して貫かれる美やストーリーの描きかた、作家のたくらみなわけだから、それを提示する写真家、見出す努力をする評価者は常に戦っているといえる。それらはその現場で撮影している作家の想いや作品作りの思想を想起させるものであり、それらの要素が作品から見て取れることがなにより大切なのだ。

僕自身他のレビューの経験が豊かにあるわけではないが、Review Santa Feは間違いなく世界有数のレビューだと思う。非営利でありながら質の高いレビューを提供し、確実に写真家が世界に渡っていけるようなシステムを構築しており、運営母体や思想は長年の開催で確立されたものだ。新しい表現とは何か、新しい写真とは何かを常に追求しつつ、写真活動を支援することにおいて必要なリソースを提供する強靭な財政もある。彼らがうたっている写真のコミュニティーを作っているという自負が写真家たちにポジティブな影響を与え続けているというのが何よりの証拠だろう。

実際、このレビューには50歳以上の参加者が多い。すでに確立した写真活動を有しているものも再び参加してくる。欧米の写真家は常に前を向いている。自分の居場所に甘んじることなく、新しい挑戦を続け、新しいシリーズが出来上がると必ずこういったレビューに身を置きにくる。そうすることで立ち位置を確認することができる、と多くの参加者は話す。また、当然新しい作品にふさわしい居場所を獲得しにくるのだ。そういう努力を重ねていないとファンが遠ざかっていくからに他ならない。僕はすでに確立している日本の写真家たちを海外の写真イベントの現場で見かけたことがない。彼らは現在立っているその居場所に甘んじているように見える。そこが居心地が良いとでもいうのだろうか。世界にも届かない平坦な写真の境地にいてどうやって高みで輝き、写真ファンを増やせるというのだろう。

日本にはどんなレビューがあるんだ?と多くの作家に聞かれる。日本にあるレビューあるいは写真の有機的な構造が世界から見えていない現実はこころに刻んでおいた方がいい。写真賞もしかり。海外から見てこれほどに写真活動の盛んな国はない。それにもかかわらず日本における写真コミュニティーの見え方が希薄であるのはどういうわけなのか、そういうディスカッションも必要だろう。

六甲山国際写真祭の経験も、たった2年ばかりの活動では何も言えない。しかし、写真というart/media/industry/criticに身を置こうとする人たちは、ただ撮影する、評価する、発表する、写真集を作る、ギャラリーで取り上げるという単純化された行いに終始してはいけない。その先に写真の総体に対する参加意識を持たなければならない。それぞれが勝手に恣意的に好き放題自分たちの利益のために活動しても、さして大きな実りは得られないだろう。営利企業が運営するそれは、豊富な資金こそあるのだろうが、その先にどんな風景が見えるのかがわからないほどアーティストや専門家たちは愚かではない。それぞれがどのような役割を果たせば写真の豊かなリソースを作り、最終的に日本の写真活動が点ではなく面で広がり、国内ばかりか海外の優れた活動を呼び込み、結果として社会に対して写真のすばらしさを伝え、社会からフィードバックを得られるようになるかを、知恵を持ち寄って議論すべき時が来ているのだ。小さなパイをたくさん焼いて小さな分前に甘んじるのか、大きなパイを社会という大きな窯で焼いて大きな分前を受け取るのか。どちらがいいのかは考えるまでもないことだ。