GALLERY TANTO TEMPO | 風景写真という新しい写真
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風景写真という新しい写真

風景写真という新しい写真

いよいよReview Santa Feが始まり、早速一つ重要なKeynoteレクチャーがありました。

Critical Landscape Photographyというお題目ですが、非常に興味深い話でメモを取りながらなんとか食らいついて聴きました。要点は、アートフォトと区別されていた感が強い「風景写真」というカテゴリーが新しい役割を果たしつつあるというメッセージです。ただし、ここには多くの伏線があって、いわゆる風景写真と私たちが考えているようなファインアート写真はやはり区別されてはいるし、ただの風景写真は風景写真なのであってそのこと自体は従来から変わらないけれど、そこに何かしらメッセージが含まれていくようなプロジェクトが増えているという話です。演者はLucy Lippardという著名なアート批評家。彼女自身もいわゆるアート活動家(アクティビスト)でもあります。

ある土地のある時間帯の風景を撮影するということは誰でも経験することですが、ある土地のある意味性を含んだ風景写真が重要さを増しているという現実があります。たとえば中国の大規模な開発の風景、たとえば津波の被害を被った東日本の風景、たとえば大規模な発電所を撮影したシリーズなど、知的な視点、興味を含むことで、単純化されていた風景写真とは異なるメッセージが含まれていくようなプロジェクトを作り得るという視点から話が進んでいきます。そこには、潜在的にあるいは確信的に風景アクティビスト(作家自身)が介在することによって、従来の視覚的な風景に加えてよりバーバルで説得力のある作品が生み出されているという内容です。

一介の風景でも、アマチュアが撮影していても、旅行者でさえ、この説得力のある風景写真を撮ることが可能で、実際デジタル写真とSNSなどの組み合わせでこの流れはものすごい勢いで写真に意味性を加えています。付け加えるなら、アマチュアの単純な風景写真ですら、その場所の風景をある時点で切り取っているわけなので、決して侮れないインパクトを将来持ちうるという視点も提示します。つまり、東日本大震災以前に撮影された東北のアマチュア写真家のプロジェクトは、震災後に撮られた多くのプロの震災写真よりも重要な意味を持ちうるということだったりします。

多くのサンプルが示されていましたが、本当に素晴らしいものばかり。今、風景写真が変わりつつある、というお話でした。

 

 

 

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