
16/06/2015
In
2015, Festival, Photographer
Review Santa Feレポート2
今年はTOP100の日本人参加者が1人と少なかったのが残念でした。日本人の通過者はほかにもあったようですが、諸事情で最終的には一人だけになってしまったようです。勿体無くもありますが、レビューの参加費も次第に高額になっており(9枠$800!)、旅費を含めるとかなりの負担になるわけで、作品から写真活動の未来を見通せないと参加するにはかなりの勇気が必要なのも事実です。
今回見事に予選を通過したなかしまひろきさん。通訳なしでしっかり英語でコミュニケーションをとっているところは素晴らしかったと思います。どうしても日本人びいきで見てしまうので孤軍奮闘という感じでしたが、次々とレビューをこなさなければならない僕としては、時々彼の動向を目で追いながらがんばれと心の中で応援するくらいしかできませんでした。シリーズは東京で撮影したモノクロのポートレイト。少し過激な風貌の男女を単一の構造の写真におさめて作る生粋のストレート銀塩写真でした。本人はいたって静かな若者で、初めての経験に緊張しきりでしたが、ポートフォリオビューイングでは逆にとてもシンプルなストレート写真であるところが注目を集めていたと思います。彼自身が話していたことですが、世界の写真の中に置いた時どれくらいのポジションが取れるのか確かめに来た、というなかでの挑戦。趣向を凝らし表現に技をしかけてチャレンジしてくる海外勢にたいして、ストレートで押しとおした強さもあり、人柄の良さも手伝って、レビュー最終日に誰かが仕掛けた145 GALLERY(客室の145号室を即席ギャラリーにしてしまった。のちに騒音で追い出される)では他の参加者に引けも取らず人気を博していました。
彼自身、レビューに参加したことがどれほど今後の活動に影響するか、現時点では計り知れません。しかし、初日の夜に軽く食事に誘った時に話した限りでは、やはり世界の表現のスケールに圧倒される場面もあったと思います。ただ、昨年も一昨年も参加者が成果をあげていったように、Review Santa Feに呼ばれるぐらいの実力があれば、そしてこの場所の写真に対するあくなき挑戦を目撃してみれば、新たな勇気と情熱が湧き起こって次の作品への大きなステップアップを実現されることは間違いありません。その例に漏れず、しっかりと写真と向き合っていただきたいと思います。なにより、Review Santa Feの特徴の一つである写真コミュニティーの縦横のつながりになかにしっかりと組み込まれていくことで、実力以上にたくさんの可能性がもたらされることは間違いがありません。なかしまさんには六甲山国際写真祭やその他のプログラムに参加していただこうと思っています。
今年はReview Santa Feから主催者のLaura Pressleyが六甲山国際写真祭のレビューにやってきます。彼女にはナイトセッションにてアメリカのレビューの歴史などをレクチャーしてもらおうと考えています。
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