
新年の展覧会 神戸にゆかりの深い淵上白陽と構成派の写真家たちを取り上げます
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、早速2016年最初の展覧会のお知らせです。
大正期の写真雑誌『白陽』は、神戸で写真館を営み写真家として活動していた淵上白陽(1889~1960)が発刊していた芸術写真誌です。刊行期間は1922年から26年の5年間でしたが、増刊号を含めて、現在43冊が確認されています。当初はピクトリアリズムの芸術写真をおもに所載していましたが、1923年の関東大震災以後、被写体を画面上で幾何学的に表現する<構成派>と称されるモダニズムの表現を志向するようになってゆきます。その意味で『白陽』は、芸術写真の近代化への道程を表しているといえるでしょう。掲載された精緻なコロタイプ刷り図版は、オリジナル・プリントとして世界的に認知されており、日本のコロタイプ技術が、銀塩プリントやフォトグラビア印刷と同等の写真プリント技法として成立していたことを証明しています。
本展では、約90年前、『白陽』が構成派の表現を志向していった時代に掲載されたオリジナルのコロタイプ・プリント約20点を額装展示します。淵上白陽をはじめとする芸術写真家たちの冒険心を、白陽とゆかりの深い神戸の地でご覧いただければ幸いです。
【展覧会】“モダニズムへの道程― 写真雑誌『白陽』に見る構成派の表現”展
【日時】2016年1月9日(土)~31日(日) ※月・火・祝日休廊
【会場】Gallery TANTO TEMPO
【開廊時間】12:00~18:00
■写真史家・金子隆一氏によるトーク 1月16日(土)16:00から 参加お申し込み先着30名さま
なお、この展覧会は金子隆一氏が企画立案、東京/表参道画廊2015年6月、京都/便利堂2015年9月とGallery TANTO TEMPOの巡回企画となります。
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